パンズ・ラビリンスという映画を観ました。
2006年に公開されたメキシコ・スペイン・アメリカ共同制作の映画です。
一言で表すならば、「残酷な御伽噺」。しかし、その解釈は様々で、非常に深いテーマをもった映画です。
スペイン内戦で父親を亡くした少女オフェリアは妊娠中の母親と共に母親の再婚相手であるヴィダル大尉に引き取られ森の中にある軍の砦に住む事になる。ヴィダルは独裁政権軍でレジスタンス掃討を指揮する冷酷で残忍な男だ。彼はもうすぐ生まれる自分の息子だけを欲しがり、オフェリアの事は疎ましく思っていた。 この悲しい現実から逃れるかのように、オフェリアは妖精やおとぎ話の世界に引き込まれていくのだった。ある夜のこと、彼女の前に「妖精」が現れ、森の迷宮に導いていった。するとそこには迷宮の番人パンが待っていた。そして彼女を一目見るなり「あなたこそは地底の王国の姫君だ」と言うのであった。
パンはこの迷宮が地底の王国の入り口である事、そして姫君である事を確かめるためには3つの試練を果たさなければいけない事を伝える。
こうしてオフェリアはパンに与えられた3つの試練に挑むのだった……。
(「パンズ・ラビリンス」イントロ&ストーリーより)
思春期を迎えようとしている少女に突きつけられる、冷酷な運命、試練の場に待ち受けるおぞましいクリーチャー、そして、現実からの逃避。
人間は、独りでは生きていけない。でも、どうしようもなく独りになってしまう時、人は現実から逃げ出さずにはいられなくなる。そういった、当然だけれども、どこか遠くにあるような認識を、再び観る者に与えてくれる映画でした。
さすがに公開当時、PG-12に指定されていただけあって、ゾクゾクっとする映像表現がたくさん盛り込まれています。しかし、ここまでドライに、凄惨に描かれているにもかかわらず、僕は最後に、
「綺麗だ」
と思ってしました。
決して万人にはオススメできません。ですが、観終わった後、スタッフロール中に流れるテーマ曲とともに回想に浸ることで、きっと、自分の心が洗われてゆく感覚を覚えるでしょう。
ただし、それは登場人物たちが、自らの「心」を犠牲にしたからこそ、得られる感動なのです。
「ギセイ」っていうと、何かカッコつけている感じがしますが、この作品はそれを「綺麗だ」と思わせる力があります。その不思議さが、最大の魅力なのでしょう。
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